開催趣旨
国立天文台は京都大学の協力のもと、せいめい望遠鏡を用いた全国大学共同利用を2019年3月より実施しています。せいめい望遠鏡の現状と運用状況の報告、科学的成果の発表、将来計画の検討、ユーザー意見の回収などを目的として、今年もせいめいユーザーズミーティング(UM)を開催いたします。
せいめい望遠鏡では本年8月からTriCCS(可視多色同時撮像装置)が新たな共同利用装置として加わり、より多くのユーザーによって多岐にわたるサイエンスが一段と幅広く展開されて行くものと期待されています。大型望遠鏡では難しいタイムドメイン観測はせいめい望遠鏡がかかげるテーマのひとつですが、リモート観測の試験も開始され、さらにその最適化が進んでいくことと思われます。
今回のUMでは「複数装置時代を迎えるせいめいでの突発天体・モニター観測」と銘打ち、タイムドメイン観測で活躍しておられる研究者の方々に招待講演をお願いしています。
- 前田 啓一 (京都大学) 「Kools-IFUとTriCCSによる突発天体・時間軸観測」
- 大宮 正士 (アストロバイオロジーセンター) 「GAOES-RV で目指す系外惑星サーベイ」
- 板 由房 (東北大学) 「Thirty “Millimeter” Telescopeによるモニター観測の紹介と、せいめい望遠鏡に期待する事」
- 小久保 充 (プリンストン大学) 「せいめい望遠鏡を用いたAGN time-domainサイエンスの展望」
将来せいめい望遠鏡を使って研究を行いたいと考えている大学院生を含め幅広い研究者の方々の積極的な参加もお待ちしております。
また、せいめいUMの前日(10日)には兵庫県立大学のなゆた望遠鏡のUMが開催されます。連続開催とすることで国内の共同利用望遠鏡について関連研究者が集中的に考え、相互に意見交換することのできる貴重な機会となることを期待しております。
日程/形態
2020年8月11日(水)午前9:00 – 12日(木)午後6:15
オンライン開催(zoom会議室のURLは本会の数日前に参加申込された方にお知らせします)
プログラム
8月11日
[せいめい望遠鏡 運用報告] | ||
9:00 | 開会挨拶・諸注意 | |
9:05 | せいめい望遠鏡における 共同利用観測の状況: 2020後期〜2021年前期 | 泉浦 秀行 (国立天文台) |
9:20 | 望遠鏡とドームの現状 | 木野 勝 (京都大学) |
9:35 | KOOLS-IFUステータスレポート | 松林 和也 (京都大学) |
9:50 | 可視3色高速撮像分光装置TriCCS | 松林 和也 (京都大学) |
10:05 | SMOKAの現状と今後の計画 | 小野里 宏樹 (国立天文台) |
10:20 | せいめい小委員会報告 | 渡邊 誠 (岡山理科大学) |
10:35 | 京大時間利用状況報告 | 大塚 雅昭 (京都大学) |
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[サイエンス#1 恒星、モニター観測] | ||
11:05 | 太陽型星スーパーフレアの連続分光観測~彩層放射・質量噴出の調査~ | 行方 宏介 (国立天文台) |
11:20 | M型星YZ CMi/EV Lacのフレアの連続測光・分光観測~質量噴出現象の調査~ | 行方 宏介 (国立天文台) |
11:35 | ポスターフラッシュトーク #1 3min x3 QA 5min | |
低質量X線連星 GRS 1915+105 の近赤外線の短時間変動について | 今里 郁弥 (広島大学) | |
かなた望遠鏡によるブレーザーBL Lacertaeフレア期の短期変動の研究 | 今澤 遼 (広島大学) | |
かなた望遠鏡によるブレーザーBL Lacertaeの増光期における長期偏光撮像観測 | 間 夏子 (広島大学) | |
(昼食 + ポスターセッション) | ||
[サイエンス#1 恒星、モニター観測] 続き | ||
13:00 | せいめい望遠鏡と188cm望遠鏡を用いた若いK型星LQ Hyaのスーパーフレアの連続分光観測 | 前原 裕之 (国立天文台) |
13:15 | 矮新星V3101 Cygのアウトバースト後の連続分光観測 | 磯貝 桂介 (京都大学) |
13:30 | KOOLS-IFU Study of the Planetary Nebula IC2165 | 大塚 雅昭 (京都大学) |
13:45 | “PPAP” Enables Self-Consistent Multi-Wavelength Plasma Diagnostics | 植田 稔也 (Univ. of Denver/京都大学) |
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[かなた望遠鏡 運用報告] | ||
14:15 | 広島大学宇宙科学センターの活動進捗 | 川端 弘治 (広島大学) |
14:30 | 広島大学かなた望遠鏡の運用状況 | 植村 誠 (広島大学) |
14:45 | OISTERの活動報告とせいめい望遠鏡の貢献 | 山中 雅之 (京都大学) |
[せいめい望遠鏡 将来装置計画] | ||
15:00 | 新装置の状況まとめ | 岩室 史英 (京都大学) |
15:05 | 系外惑星観測装置SEICAの開発:進捗報告 | 山本 広大 (京都大学) |
15:20 | 系外惑星観測装置SEICAに向けた波面センサの開発状況 | 津久井 遼 (京都大学) |
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[せいめい望遠鏡 将来装置計画] 続き | ||
15:45 | 系外惑星探索用高分散分光器GAOES-RV | 佐藤 文衛 (東京工業大学) |
16:00 | 近赤外偏光撮像装置 | 長田 哲也 (京都大学) |
16:10 | 近赤外相対測光分光器 (IRS) | 岩室 史英 (京都大学) |
16:20 | 位相カメラシステム (PCS) | 岩室 史英 (京都大学) |
16:35 | 可視高分散分光器 | 野上 大作 (京都大学) |
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[リモート観測, キュー観測] | ||
17:05 | VPN + KVM によるせいめい望遠鏡リモート観測 | 田實 晃人 (国立天文台) |
17:20 | せいめい望遠鏡+KOOLS-IFU向け自動観測システムの開発状況 | 前原 裕之 (国立天文台) |
17:35 | キュー観測へのロードマップ | 太田 耕司 (京都大学) |
17:50 | 議論「リモート観測をどう運用するか? キュー観測へのロードマップ」 |
8月12日
[サイエンス#2 突発天体1] | ||
9:00 | KOOLS-IFU ToO Observations toward eROSITA-selected Tidal Disruption Event Candidates | 川室 太希 (ディエゴ・ポルタレス大学/国立天文台) |
9:15 | せいめい望遠鏡によるブラックホール X 線連星 MAXI J1820+070 の分光観測 | 志達 めぐみ (愛媛大学) |
9:30 | せいめい望遠鏡を用いた古典新星を狙った ToO 観測 | 田口 健太 (京都大学) |
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[招待講演 : 複数装置時代を迎えるせいめいでの突発天体・モニター観測] (講演 20min + 質疑10min) | ||
10:00 | 主旨説明 | |
10:05 | [招待講演] Kools-IFUとTriCCSによる突発天体・時間軸観測 | 前田 啓一 (京都大学) |
10:35 | [招待講演] GAOES-RV で目指す系外惑星サーベイ | 大宮 正士 (アストロバイオロジーセンター) |
11:05 | [招待講演] Thirty “Millimeter” Telescopeによるモニター観測の紹介と、せいめい望遠鏡に期待する事 | 板 由房 (東北大学) |
11:35 | [招待講演] せいめい望遠鏡を用いたAGN time-domainサイエンスの展望 | 小久保 充 (プリンストン大学) |
12:05 | ポスターフラッシュトーク #2 3min x3 QA 5min | |
京都大学岡山天文台の広報活動 | 戸田 博之 (京都大学) | |
IceCubeニュートリノ対応天体探索及びフォローアップ観測の現状と今後 | 山中 雅之 (京都大学) | |
IIn型超新星SN2017hccのSEDを用いた星周ダストの物理量推定 | 濱田 大晴 (広島大学) | |
(昼食 + ポスターセッション) | ||
[サイエンス#3 系外惑星・太陽系内天体] | ||
13:30 | TriCCSカメラによる系外惑星多バンド高速撮像 | 直川 史寛 (東京大学) |
13:45 | せいめい望遠鏡TriCCSを用いた微小地球接近小惑星の可視3色同時高速観測 | 紅山 仁 (東京大学) |
14:00 | Spectroscopic observation of the potentially hazardous asteroid (99942) Apophis using KOOLS-IFU | Hee-Jae Lee (Korea Astronomy and Space Science Institute) |
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[サイエンス#4 突発天体2] | ||
14:30 | 測光・分光・偏光観測で探るIa-CSM型超新星SN 2020uemのCSM構造 | 宇野 孔起 (京都大学) |
14:45 | 特異なIa型超新星SN 2020hvfの可視・近赤外線観測 | 川端 美穂 (京都大学) |
15:00 | せいめい・かなたによる近傍で発見されたIIb型超新星SN2019tuaの測光分光観測 | 中岡 竜也 (広島大学) |
15:15 | Tomo-e Gozen突発天体サーベイと連携したRapid Transientの観測 | 田中 雅臣 (東北大学) |
15:30 | Fast Radio Burst 対応天体探査に向けたTriCCS高速観測の実施状況 | 新納 悠 (東京大学) |
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[サイエンス#5 銀河・遠方天体] | ||
16:00 | Spectroscopic follow-up observations of rare ignition & shutdown events detected by eROSITA | Malte Schramm (埼玉大学) |
16:15 | 巨大ブラックホール連星候補を持つ合体銀河NGC 7674の可視面分光観測 | 山田 智史 (京都大学) |
16:30 | すばる深撮像とせいめい/KOOLS-IFU 分光で探る近傍極金属欠乏銀河 | 磯部 優樹 (東京大学) |
16:45 | あかり/せいめい/すばるで探す近傍宇宙の超高星形成率銀河 | 秋山 正幸 (東北大学) |
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17:15 | 総合議論 | |
・インテンシブ観測、ロングターム観測 | ||
・プロポーザルのThesisチェックマークについて | ||
・装置グループのGuaranteed Time | ||
・これまでの共同利用に対する要望(各発表のコメントなどから) | ||
他、データ解析環境、リモート観測、キュー観測(続き)、将来必要な装置など |
参加・発表申し込み
- 講演申し込みはすでに締め切っておりますが、zoomでの接続を希望される方は以下のWeb申し込みフォームに必要事項をご記入の上、提出してください。
- *** 締め切りは8月6日(金)です。 ***
- 申し込みフォームはなゆたUMと共通になっております。
その他
世話人:田實晃人(国立天文台)、栗田光樹夫(京大)、大塚雅昭(京大)、秋山正幸(東北大)、酒向重行(東大)、本田敏志(兵庫県立大)
連絡先: seimei-um [at] ml.nao.ac.jp (atを@にかえてください)
UM HP: http://seimei.nao.ac.jp/openuse/um/um2021/
参考資料
2020年度せいめいユーザーズミーティング
http://seimei.nao.ac.jp/openuse/um/um2020/
2019年度せいめいユーザーズミーティング
http://seimei.nao.ac.jp/openuse/um/um2019/
過去に行われた岡山UM・光赤外UM収録一覧
http://www.oao.nao.ac.jp/support/commonuse/um/